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Vol.05 直してみよう!
2012.3.16
さて、今週は、直してみたいと思うのですよ。
スプーンを。

わたしはよく、仕事場のベランダでぼんやり休憩するのが好きなのですが。
先日、ポカポカ陽気のある日、いつものようにベランダに珈琲持って出て。



この写真を撮ったあと。
部屋に戻るときに、落としてかいてしまったんです。

このカップすごく気に入っていたのに。
ショックで気が動転していたので、その時は気付かなかったのですが、
よくみると、よくみるとー、かけちゃったのは、カップだけではなかったのです。

これ。



がーーーーーーーん。
スプーンまでかけてる、うううう。

自分の不注意なんだけど、切ない。

切ない。


「形あるものはいつか壊れる」と呪文のように唱えたり。

いつか、友人ががかけてくれた「きっとそれはteraちゃんにふりかかる災いの身代りになってくれたんだよ」っていうやさしい言葉を思い出したりして。


ごめんね、ありがとう。

って気持ちを込めて処分しようって思っていたのです。


が、ふいに、これ木だからリペア出来るんじゃないかしら、と思いたったのです。

作家さんのカトラリーだったら、きっと、修復の対応をして下さる方もいらっしゃると思うのですが、
こういった数百円の量産品だとそんなわけにはいかないし。

そもそも、買い直したほうが早いよ、みたいな話になっちゃうんだけど。

自分で直せたら、一番いいかもしれない!

と思い立ったので、今週は、「直してみよう!」にチャレンジなのです。


いきなり、紙やすりをかけようとするわたしに、
心配そうにいろいろ教えてくれる、木工経験者のスタッフくん。



いかんいかん、ついつい何でも「いきなり」やってしまうわたしの悪い癖。
落ちついて、まずは、スタッフくんに必要な道具を教わりました。



ナイフと鉛筆と紙やすり、最後にオイル。


鉛筆より、マッキ―のほうがくっきり書けるからよくない?
と、聞いてみると、笑顔で却下。

木には鉛筆です!(キリ)

えー、茶色いマッキ―持ってるんだけど、と私。


どうしてもマッキ―がいいなら黒で(キリ)

2度も却下されましたので、素直に鉛筆で、あたりをつけます。
意外と鉛筆でも十分描けました。



(言わんこっちゃない)と、スタッフくんも思っていたでしょう。
このあたりに沿って、ナイフで削っていきます。



あっさり、あたりを無視してどんどん削ってしまうわたし。
この辺で、やめとかないと!
引き際大事。

ここでやっと登場、紙やすり。
目の粗いやすりから細かいやすりへ順にやさしく整えていきます。



オイルをしっかり塗り込んで。



完成です!



何事もなかったかのようにリペアするのは、素人のわたしには到底無理なんだけど、
ここまで整えられれば、珈琲にミルク混ぜる時とか、ヨーグルト食べる時、十分に使える状態になりました。

よかった、これでまたしばらくお世話になります。
よろしくね。




文/写真:寺居和美



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