さて、「制作の現場を訪ねて」の「悪戦苦闘、シェービングホースと南京鉋」の続編です。
だいたい形が整ってきたところで、最後の仕上げに入ります。
削ってていい時間があればあるほど、どんどん細くなってしまうので危険です。
人間、引き際が肝心。
ということで、ここで引きます。仕上げます。
すこしだけ、けばけばしちゃってるところを紙やすりで整えます。
でも、紙やすりをかけ過ぎると、のっぺりした印象になってしまうので、
鉋のけずり跡は残しておいたほうがいいそうです。
確かに、削り跡のちょっとゴツゴツした風合いがいいですよね。
けばけばがとれたら、オイルを塗ります。
これは、桐油をベースに大川さんが調合した油です。
これを筆で塗り込んで、ドライヤーの熱で乾かします。
それから、ウエスでさらに塗り込みます。
オイルが染み込むと、じんわり赤味がまして、いい色合いになります。
ベースの形が同じにも関わらず、
これだけ違ったものが出来あがります。
一見わからないですが、なかなかどうして、それぞれの個性が出ていて面白いのです。
岡田さんのスプーン
これね、先の部分がちゅるんって反ってるの、わかります?
ごはん粒の、最後の一粒まできちんとすくえるように、この形状らしいのです。
この形状にするのに苦労してたみたいです。
一見、わかりずらいけど、そういうところにこだわる岡田さんらしい形状です。
アコさんのスプーン。
後ろがすご~く滑らか!
触ると、するっとしててとても気持ちいいのです。
几帳面な性格とやさしい性質がよくあらわれてます。
これは、新米部員みちこちゃんのスプーン。
後ろの形状にしっかり角度があります。
これ、実は、先生の見本にとても近い形。
まじめで、素直なみちこちゃんらしいスプーンです。
うん。
なんか、わたし、スプーン占いが出来るかも(笑)。
最後に寺居のスプーンです。
なんだか普通の形状です。。。。
他の3人ほど特徴もなく。
ごくごく平均点だな、という仕上がり。
こんな、自己分析(笑)
さて、では実際に使ってみましょう!
次回、「自分で使う道具を自分で作るって最高の贅沢ですよ」で、完結です。
もう少し、お付き合いください。
→Vol.01「制作の現場を訪ねて」
→Vol.02「悪戦苦闘、シェービングホースと南京鉋」
大川真明さん
木の工房・やまね
連絡先 TEL・FAX 0274-52-5759
写真・文/寺居和美
制作の現場を訪ねて Vol.03
「こんなん出来あがりました」
「こんなん出来あがりました」
2012.4.13
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