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Vol.06 先割れスプーン物語
2011.9.9 Spoonship



スタッフくんが懐かしいスプーンを持って来てくれました。

先割れスプーン。。。。

いや、本当に懐かしい。
最近ではすっかり見かけなくなりましたね。
いちご用の先割れスプーン。

そして、お隣はグレープフルーツ用のスプーン。



いちご用は、スプーンがいちご模様なのよね。

先割れスプーンの歴史は古く、中世の時代まで遡る・・・
なんてことはwikiとかに書いてあるので、割愛しますが。

わたしが子どもの頃は(そうですね、30年くらい前?・・・)、
いちごに牛乳と、お砂糖をかけて、このスプーンでつぶしていただいたものです。

若い子にそんな話すると、「えーーーーまじっすかぁ」なんて驚かれるでしょうが。
昔のいちごは今ほど甘味が強かったわけではないのですよ。
それこそ、今のいちごは改良に改良を重ね、形・色・甘味、贅沢なほど豊かになりましたが。

それでも、つぶして食べるいちごもなかなか楽しくて好きでした。
最後に残った牛乳が“いちごミルク”になってるのね。
それをくいっと♪



グレープフルーツもね、やっぱりお砂糖をかけていただいたんですよ。
半分に切って、お砂糖かけて、スプーンで実をすくって。

だから、ちょっと先がとがっていて側面がギザギザしてるのね。

いろいろな農作物はどんどん改良されて、旨味、甘味が増していき。
素材そのままでたいへん美味しくいただけるようになりました。

でも以前は、素材そのものの持つ酸味、苦味がきちんとあって。
食べ方、食べる道具を工夫して、いただいていたんですね。

それはそれで、とても豊かだったなぁと、先割れスプーンを眺めながら、ふと思ったりするのです。

文・写真:寺居和美

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